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日野 2018 [日本の町散歩(近畿)]

日野もまた近江商人のふるさととなった町のひとつ。「日野の千両店(せんりょうだな)」と言われる通り、ここの人々はとりわけ日本各地に多店舗展開し、流通網を作り上げる術に長けていたと言われる。土地の恵を生かした漢方医薬と木工品(椀)を二大看板に、全国を股にかけて渡り歩いた日野商人たちの故郷は、いまは鈴鹿山麓の里山のただ中にある、ちいさな町に過ぎない。
しかしこの町の家並みが持つ、まれに見る品の良さはどうだろう。質素倹約を重んじた近江商人であるから、決して華美な家並みでないのは分かるが、それだけではない。日野の町を歩けば、近江八幡や五個荘とも違う、教養や文化的な豊かさを内に秘めた、ゆとりのようなものが感じられるのである。その雰囲気はどことなく、信州の小布施を思い出させる。
そういえば日野もまた、平成の大合併の風潮の中で、誇り高く独立を守っている数少ない町のひとつなのである。

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脇町 2018 [日本の町散歩(中国・四国)]

徳島県を西から東へと流れる吉野川は、日本三大暴れ川のひとつに数えられ、「四国三郎」の異名もとる堂々たる大河。脇町は、この中流域の北岸に位置する小さな町である。江戸期以降、ここには周辺の農村から葉藍が集まり、職人や商人たちがこれを染料の藍にした。吉野川の舟運によって下流の町や京・大阪へも運ばれた「阿波藍」は、この町に富をもたらし、脇町の商人たちは、その富の象徴としてこぞって我が家と隣家との境界部分に「卯建(うだつ)」と呼ばれる防火壁をこしらえたが、現在でも通りの両側に約400メートルにわたって続く「うだつの町並み」は日本でも唯一無二の存在である。
しかし私がこの脇町のことを知ったのは、うだつへの興味からではなく、山田洋二監督に「虹をつかむ男」によってであった。映画では、西田敏行演じる中年男が、つぶれかけた映画館の再興を期して、このうだつの町並みを奔走するのであるが、そこでは、日本の古き良き町の人々の交流の様子が実に生き生きと活写されていた。

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