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松崎 2016 [日本の町散歩(中部)]

西伊豆の小さな港町、松崎に吹く風はとても心地が良い。三方を山に囲まれた静かな入り江、明るい漁港、美しい砂浜の海岸線。ゆるゆると流れる川辺には、昔ながらの風情を残す鄙びた路地が続いている。単なる漁師町ではなく、西伊豆地方の中心地として物資が集散した場所であり、それだけに多くの商家建築が残されているも嬉しい。この地域の特色のひとつであるいわゆる「なまこ壁」を残す建物も多く、それらを見て歩くのも楽しみのひとつ。さらに、松崎の生んだ名工、入江長八の漆喰鏝絵の数々をナマで見られるのも嬉しい。巧みに芸術性を盛り込みながらも、あくまでも実用本位の、左官としての職人芸がベースとなったその至芸こそ、松崎という素朴で伸びやかな町の性格をよく現わしているのではないかと思われる。これでもう少し、街に活気があれば云う事はないのだが・・

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栃尾 2016 [日本の町散歩(中部)]

「栃尾」という地名を聞いただけで、その名物がすぐに思いつく人は、かなりの玄人である。あなたはどうだろうか。栃尾というと・・・油揚げ! そう答えるなら、あなたはかなりのグルメか、飲ん兵衛であろう。最近は東京の居酒屋等でも一部定番メニュー化しつつあるからご存じの人もいるだろうが、栃尾にはなぜか通常の三倍はあると思われるジャンボ油揚げを供する豆腐店が沢山あって、知る人ぞ知る名物になっているのだ。私が、観光地としてはほぼ無名と思われた栃尾を訪ねたのは、この油揚げの食べ歩きを狙ってのことだったが、実は栃尾には町並み的にも日本屈指の名物をいまなお残している。それは、雁木。豪雪地帯ではかつて良く見られた、いわゆる歩道のアーケードである。青森なら「こみせ」と云ったが、信越地方では「雁木」。他の大都市ではどんどん消えているが、総延長4.3キロにも及んで残る雁木こそが、栃尾の誇る偉大なる遺産であり、少しずつ修復も進んでいる。私が栃尾を訪ねたのはあいにくの雨天の中だったが、それでもここが、実に味わい深い、興味の尽きない街であることはよく分かった。

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