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ベルリン 1999 [ヨーロッパの町紀行]

 ベルリンは不気味だった。東側。街のあちこちで進行中のリストラクション。林立する巨大クレーンが、全身ミラーガラスの巨大ビルを積み上げる。それは無表情で、無造作だ。東側。街のあちこちで朽ちていく傷ついた建物。その陰から、新しい若者文化の拠点が間断なく生まれてくる。それは瞬発的で、鋭角的だ。なぜだろう、なぜ「音」というものが感じられないのだろう。・・・急激に変わりゆく街並みがこの目にしっかり見えているのに、物音といえばなにひとつ聞こえてこないのだ。

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走り行く路面電車に耳をそばだてる。シャーーー、たしかに聞こえるはずなのだ。しかし鉛色の風はそれを伝えてはくれない。ふと見ると、電車に弾かれた鳩が線路に張り付いている、気にするものはいないようだ。
 西側に行ってみる。救いを求めるような気持ちだったが、耳栓をされた感じにかわりはなかった。模糊とした空気に、くっきりと線の細い夜の光がきらめいているのを見たとき、身震いするような洗練を感じるとともに、やっぱりここもベルリンなのだと思った。
 ここは、今も昔も、アバンギャルドの都なのだ。とても幸せにはなれそうもない街。だが、限りなく刺激的なのだ。ワクワクしたりなんてできない。ただ、ゾクゾクする。・・・それはもう、限りなく。

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撮影 1999年2月
本文 1999年2月

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