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松代駅へのオマージュ ~駅の、ものがたり [日本の町散歩(中部)]

2012年3月31日。90年の間営業し続けてきた長野電鉄の松代駅が、その歴史に幕を閉じた。ここを通っていた長野電鉄の「屋代線」が、廃線になったからである。

昼間は一時間に一本すら電車が来ない超ローカル線の駅。長野市内まで出るにも時間も費用もかかる。長野市内への道路が整備され、バスも30分おきに走っている今となっては、地元の人ももはや駅をあまり利用しないという。だから、通学の中学生と高校生達、病院通いのお婆さん、そしてわずかな観光客・・そうした人たちがこの駅の利用者であった。

だが、その駅は、もの言わぬ昭和の語り部でもあった。いかにも古めかしくはあったが、歴史の町、松代の玄関と呼ぶにふさわしい風格と、風雪を耐え忍んできた者だけがもつ、厳しさと、あの優しさのある駅だった。

数少ない利用客、それでも一日600人(2005年データ)が乗り降りした松代駅。戦時中、松代大本営ができていれば、首都の玄関になっていたかもしれない歴史を秘めたこの駅。その名残りのだだっ広い敷地をそのままに、高度成長の波に乗ることを拒み、時代の移り変わりの中で自動車に主役をゆずり、長かった昭和時代の、人々の記憶をそこここに残したまま、駅は静かに眠りについた。

本稿では、駅がまだ営業していた最晩年の様子を、写真で偲びたい。

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松代駅外観。歴史の街、松代にふさわしい駅舎である。


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「駅員さんがいる駅」にはやはり駅の「いのち」が感じられる。


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観光の方々は、運賃の高さにびっくり。


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朝の駅での一コマ。


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出発する電車に手を振る駅員さん。



雪の朝

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金井山方面から松代駅に向かってくる屋代ゆき電車。


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曇天の下、中学生たちの嬌声が響き、傘の花が咲く。


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駅にほど近い松代中学校の学生さんが、毎朝交代で駅の清掃をしてくれている。
この日は雪かきも。


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雪の朝には、電車のヘッドライトがひときわ頼もしく見える。


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小学生たちも、安心できる駅前を通って学校へ。


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駅の中から駅前の街を見たところ。
商店の類はもはやないが、この右側に巨大なスーパーがある。



春の松代駅

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錆びついた一番線の線路だが、早朝と深夜の松代発着の電車はここを使った。


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松代の駅前には立派な桜が毎年花を咲かせる。
駅が駅でなくなった今も、それは変わらない。


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この駅入り口前のベンチには、いろいろな人が散歩途中に立ち寄って座っていたものだ。
おそらく、今もそうだろう。


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改札口脇にある古い案内板。


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待合室から改札を抜けてすぐの3番線は、須坂方面ののりば。


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屋代方面への電車が発着する2番線へは、駅構内の踏切を渡ってゆく。



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駅の北側はすぐ松代城跡。春は桜の名所となる。


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松代駅すぐ東側の踏切のたもとにも、立派な桜がある。


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2番線ホームの古い看板。


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2番線ホームには、待合室というほどでもないが、風除けのコーナーがあった。


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駅前通りから松代駅を見る。今は商店も廃業し閑散とした駅前通り。
駅は今日は何かのイベントがあるらしく、いつもに比べて少し賑やかだ。





松代駅の昼さがり

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2番線の屋代ゆきホームから。


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駅のすぐ西側の踏切より駅を望む。屋代ゆき電車が到着。



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太平洋戦争末期、松代に大本営の移転が計画されたのは有名な話だが、
実際に、そのための物資が夜な夜な貨物列車で秘密裏に松代駅に運び込まれていたという。
松代駅の構内がだだっ広いのは、その名残りであるそうだ。



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真田氏の街、松代は「歴女」たちにも静かな人気。足取りも軽やかに、観光に向かう。



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北アルプスを望む松代駅のホーム。


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一番線の駅本屋には、懐かしい「駅長」の看板も現役だった。



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静かな駅前通り。


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駅の待合室の様子。エアコンやストーブはない。



下校のころ

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今日は終業式。


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青春という名の、かけがえのない人生の一コマに、駅は思い出を添える。


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エアコンのない待合室はうすら寒いが、それでも人が集まると、そこは少し暖かくなる。


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夕暮れせまる、駅

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松代中学校の学生がジョギングで通る、駅東側の踏切。



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夕日の差し込む3番線ホームに、須坂ゆき電車が到着。


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ホームでひとり、ハーモニカを吹いているおじさん


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高校生たちも帰ってしまうと、駅はまた静かになる。


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松代駅の窓口で買う切符は、すべて昔ながらの硬券であった。



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少しだけ甘く、でも大体はほろ苦い、青春の記憶。


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夕方になると、また松代駅での交換がある。


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夜のとばりが、駅をつつむ。



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信濃川田駅

松代駅から須坂方面へ3つ目の信濃川田駅。同じ日に廃止となった。
松代駅とよく似たつくりの駅舎で、かつては菅平方面へのバスが発着するなどしていたそうだが、すっかり寂れて1994年に無人駅となり、以降はひと気もない、さびしい駅となった。
ただ、この駅の傍らで、春が来るたびに咲く桜は、本当に見事なものであった。

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構内にあるこの側線では、よく廃車となった電車の解体が行われた。



岩野駅

松代駅から西に2駅の岩野駅にも、立派な桜があった。
無人駅で、駅舎は簡素なもので、駅そのものはどうということはなかった。

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屋代方面から岩野駅に近づいてくる電車。


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東屋代駅

この駅はいっぷう変わった駅で、民家を併設していた。
その民家にお住まいの方が、委託を受けて駅業務を行っていたのだそうだ。
いまはもう、そこに住む人もいない。

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実に味のある出札口だった。



撮影 2012年3月 
本文 2012年12月




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